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2004/10/18

ステレオ(&パノラマ)歴史探訪(3)「唐津城vs名護屋城~史跡の見せ方の違い」

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「唐津に来ています。何日も浸っていたい。そんな気がしています。」
一部の地域の人にしか分からないかな?20年以上変わらないCMを続ける「宮田の松露饅頭」のこのフレーズで有名な唐津を訪ねました。


これまでの歴史探訪同様、ここも古来から大陸との交通の要所であったことは、「唐津」=「唐」+「津」すなわち中国につながる港町であったと地名が示しています。

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唐津で有名なのは、別名「舞鶴城」ともいわれる「唐津城」です。
でも、この天守閣、昭和に作られた創作物だって、私今回初めて知りました。
唐津城の築城は豊臣秀吉の側近だった寺沢広高が名護屋城の廃材も利用して7年かけて行いました。
しかし、その際もその後も天守閣が作られることはありませんでした。
今の天守閣は昭和41年に「文化観光施設」として作られたものだそうです。
歴史上無かった物を作っちゃうことに非常に違和感を感じながらも、綺麗なので写真はしっかり撮っておく。

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天守閣は贋物でも、海に突き出した唐津城のロケーションはなかなかのもので、本丸は元々半島の山だったものを人工の川で切り離して作られています。
城の両翼には白浜松並が続き、舞鶴城と呼ばれる所以となっています。
水野忠邦や小笠原長行といった有名な老中がここ出身だそうな。

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唐津から北西に進むとイカ料理で有名な呼子に着きます。
ここには、豊臣秀吉が国内統一をした後、さらに朝鮮半島に侵攻した際の軍事拠点「名護屋城」がありました。

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今は石垣しか残っていませんが、秀吉が黒田如水や加藤清正らに命じ築城したこの城には、広大な範囲に五層七重の天守閣や櫓などがそびえて、当時大阪城に並び賞されるほどだったようです。

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QuickTime VRムービー名護屋城からの眺め(1) 

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QuickTime VRムービー名護屋城からの眺め(2) 
諸大名の陣跡OptioS panorama
さらにその周囲には全国の諸大名が陣所を設け、文禄の役では16万、慶長の役では14万の大軍が朝鮮半島に送り込まれました。
結局秀吉の死を機に撤退することになりますが、朝鮮半島に多大な被害を与えただけでなく、明の衰弱を招きます。国内では海外に出兵した大名が疲弊した一方で、留守番の徳川家康は力を蓄え関が原での天下取りにつながりました。

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かつて天守閣があったこの城には今後も天守閣が再建されることはないでしょう。
石垣の崩壊も至る所で見られますが、一方で史跡の保護も進められています。
感心したのは、案内板には石ひとつひとつに修復のため場所を動かしたもの、後から追加したものなどの色分けがしてあり、天守閣を創作してしまった唐津城とは対照的でした。
観光としては唐津の圧勝ですが。

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