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2005/11/03

文化の日ラッシュ

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文化的な文化の日を過ごそう。

そういう計画で、小雨の中、朝から出て、着いたところは、太宰府天満宮。
御神籤が黄色くなってるぞと思いつつ、
一月に来た息子の合格祈願のお礼参りもしつつ、
そして、七五三の着物のお子様や、九州場所で来ているお相撲さんを横目に、

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境内の脇に新しくできた道へ。
虹色の光が走る、怪しげなトンネルを抜けると、

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そこは、先月オープンした、九州国立博物館。(MAP)
開館記念特別展『美の国 日本』を見に来ました。
開館30分前なのに、チケット売り場の前には約200人の行列。
ローソンで前売り買っとくべきでした。
ようやくチケットを買って入り口に回ると、建物の端から端までを1往復半する、1000人くらいの、文化的な文化の日を過ごそうとする人々の列が...。

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建物内部は、木組みの高い天井と巨大なガラス張りの壁。
広いロビーでは弦楽四重奏の生演奏。
一旦人口密度が下がりましたが、特別展会場はまたまた大渋滞。
とくに目玉のひとつ、「漢委奴国王」を含む金印3点セットの周辺は、ちっちゃな金印を取り囲む群衆で大変なことになっていました。
もっとじっくり見たかったのですが、日本の美が、大陸からの文化に影響を受けながら、しかし、独自のものとして成り立っていくということが実感できる構成となっていました。
九州という立地から、常設展の方も同様に、大陸文化との関係が重視されています。
子供向けの展示コーナーも設けられており、アジア各国の文化に触れてみるという体験型展示になっています。
何でも触っていいよーというのではなく、展示物に、青、黄、赤のマークが付いていて、それぞれ、「自由に触っていい」、「触っていいけど慎重に扱う」、「触っちゃダメ」という決まりになっているという展示もありました。
これは、文化財の価値や扱い方について子どもの頃から関心を持たせる面白い企画だと思いました。

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その後、太宰府天満宮のそばにある、光明禅寺を訪ねました。
小さな寺ですが、由緒ある、庭のきれいな禅寺です。

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お寺の人は見当たらず、入り口の箱に200円投入し、座敷に上がり、この庭をゆっくり眺めます。
紅葉はもう少し先のようですが、その時期は大混雑必至でしょう。

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今日のもうひとつの目的地は、福岡市博物館。(MAP)
国立博物館にあった「漢委奴国王」の金印は、本来はここの所蔵です。
で、歌麿、北斎、広重、『浮世絵三大巨匠展』を見たかったのですが、待ち時間2時間半に断念。

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しかたなく、海岸の方まで、散歩して帰りました。
ちなみに、右手に見えますのは、福岡ソフトバンクホークスの本拠地、ヤフードームでございます。
その隣には、刀の刃のような形のシーホークホテル。
ここのガラス張りのバスルームで玄界灘に向かって仁王立ちするのが、博多っ子の憧れだとか。

北斎の「冨嶽三十六景」と広重の「東海道五十三次」の全作品一挙公開は、やっぱり見とくべきだったか。

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コメント

文化的文化の日ざんまいでしたね。
うらやましいかぎりです。
福岡は、こういった文化財が生で見られる機会に恵まれていますが、広島はめったにこういうのはありません。
浮世絵展、日曜日に行ってみようかな。(多そう~)

禅寺のしっとりと苔むした閑静な雰囲気が、広角ならではの画角で見事に写し撮られています。いいものみせていただきました。

投稿: でぱいゆ | 2005/11/03 23:21

>でぱいゆさん
文化の日→文化的→博物館というのが、安直過ぎましたかねぇ。
どちらも、凄い人の波でした。
福岡でこんなに人が並んでるのを見たのは、ダイエー戦をやってる時の福岡ドーム以来です。

禅寺のほうは紅葉にはまだ早かった為か、訪れる人も少なく、室内は閑散として、お堂も質素でしたが、枯山水の庭は手入れも行き届いて、見事な眺めでした。
今日も広角三昧になってしまいました。

投稿: 二つ目草 | 2005/11/03 23:52

わ~。沢山撮ってきましたね。
ここに、日本の美を見せていただきました。
やっぱり、和の写真は心休まりますね。
ちびた でした。

投稿: ちびた | 2005/11/04 16:14

九州国立博物館、福岡の新名所ですよね。
虹色のトンネルもとてもきれいですね~、通りながらワクワクしそうです。
まだ開館したばかりなので人出も多いようですね。少し落ち着いてから
出かけようと思います。

禅寺の庭園もすごくきれいです。
本当に紅葉の時期は最高でしょうね~。きれいさも人の多さも・・。

投稿: wanwanmaru | 2005/11/04 19:21

>ちびたさん
九州国立博物館の人混みに酔ったので、閑静なこの寺でしばらく庭を眺めておりました。
表からは、中にこんな素敵な庭があるようには見えない、ちょっと寂れたお寺なんです。

>wanwanmaruさん
ある程度予想はして、早めに出かけたのですが、これほどの人出とは驚きました。
九博を出るときも、入り口の前には、入場制限がかかって待機中の長い列ができていましたし、天満宮の方からは続々と人々がやって来ていました。
さらに、道に出ると駐車場待ちの大渋滞ができていました。
早朝出かけるか、公共交通機関を利用するかした方がいいと思います。

投稿: 二つ目草 | 2005/11/04 23:04

九州のほうはもう紅葉もだいぶ深まってるのかと思ってましたが、まだそれほどでもないようですね。 桜前線とかと違って紅葉ってあまり地域差ないんですかねぇ。
博物館は美術館なんかと違って撮影OKなところも多いのがいいですね。 私もどこかに行きたくなってきました(^^;

投稿: みけ | 2005/11/05 21:32

>みけさん
こちらの紅葉はもう少し先のようです。
私もみけさんの撮られたような見事な色合いの紅葉にめぐり合えるとよいのですが。

九州国立博物館は、特別展はカメラ禁止でしたが、常設展はフラッシュ使わなければ撮影OKのようでした。
でも、照明がかなり暗くしてあるので、明るいレンズがいりますねぇ。

投稿: 二つ目草 | 2005/11/05 22:05

お寺・・・いいですねぇ・・・

こっちは由緒正しいお寺tか、それに付随する庭園ってのが皆無なので、すご~~~く羨ましいです。
まして重文の仏像とかそういうのも全くないですし・・・

神社仏閣ってのは画になりますよねぇ。

投稿: nakky | 2005/11/06 08:16

>nakkyさん

ここは、みやげ店の並ぶ太宰府天満宮の参道からは一筋裏に入った寺でしたので、
今まで知りませんでしたが、鎌倉時代にできた寺です。

  前庭は石を「光」という字に配した仏光石庭。
  奥庭は青苔で陸を、白砂で大海を表現した一滴海庭。

なんだそうです。

投稿: 二つ目草 | 2005/11/06 09:26

鎌倉時代ですかぁ~~~。
日本史に疎いワタクシには想像もつかない過去です。

北海道は・・・まだ海のモノとも山のモノともつかない時代ではあったでしょうなぁ・・・

投稿: nakky | 2005/11/07 10:51

太宰府辺りは九州の古い都の跡なので、鎌倉よりずっと古いものが残っています。

ちょっと実験をしてみます。
上の記事中に九州国立博物館の位置を示すMAPへのリンクを張っていますが、
ここをクリックして、少しずつ地図を縮小していきます。

663年、百済救援のため朝鮮半島へ派遣していた日本軍が、白村江の戦いで敗北。
唐・新羅からの攻撃を恐れて、九州の中心大宰府を、内陸のこの地に移しました。
北西にある水城、大野城という地名は、その際の太宰府防衛の施設に由来します。
ここで、マップをサテライトに切り替えてみます。
太宰府が海に向かって両側を山地で守られた場所にあることが分かります。
よく見ると、水城に、人工的な緑の直線が横切っているのが見えます。
これは、防衛のために作られた高さ10mの防塁の名残です。
当時は、水城という名前のとおり、海側には堀が作られていたそうです。

さらに、縮小していくと、当時の迎賓館である鴻臚館が置かれた福岡市。
博多湾には、防人のいた能古島、金印が出土した志賀島が見えてきます。
さらに引くと、玄界灘の右翼には現在の宗像市から沖合いの沖ノ島に至る宗像大社、
左翼には田島神社を配置し、その沖にある壱岐、対馬にも防人が派遣されました。
その向こうは、すぐ朝鮮半島です。

1400年前の人たちは、数百キロ四方を見渡し、
地の利を活かし、膨大な労力を割いて、
大陸~朝鮮半島に対する防衛や交流の要地を整備したのですね。
太宰府を守るように敷かれた布陣が、
衛星写真を見るとよく分かり、そのスケールに驚かされます。

鎌倉時代には、元寇で対馬、壱岐、博多湾まで2度も攻め込まれ、
狙われて、風前の灯だったその時の太宰府のことを想像すると、
この静かな禅寺の存在も、違った味わいが出てきます。

投稿: 二つ目草 | 2005/11/07 20:27

あっ、詳しい解説、ありがとうございました~~~!
そういう歴史を肌で感じられるところにお住まいなんですね。羨ましいです。

しかし・・・半島との関わりっていうのは、ほんとここ最近だけを考えていちゃダメなんでしょうねぇ。
日本人は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」国民性なんでしょうけど、大陸の文化や思想っていうのは何千年も受け継がれていますもんね。

投稿: nakky | 2005/11/08 00:04

>nakkyさん

長々と書き込んでしまいました(^^ゞ
『美の国 日本』展では、大陸や半島から入ってきた文化が、日本の中で独自の発展を遂げる様子が示されていました。
私もそういった証拠を探して、これまで北部九州の写真をいろいろ撮ってきましたが、そこには交流の歴史も、争いの歴史もありました。
撮影地を思い返しながら、衛星写真を眺めてみると、大昔の人々の命がけの思いが伝わってきます。

投稿: 二つ目草 | 2005/11/09 22:34

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