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2006/12/17

臼杵を訪ねる(4) 石仏論争

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臼杵といえば味噌醤油とともに有名なのが磨崖仏群です。
大分県内には全国の8割にものぼる磨崖仏があるそうですが、それは阿蘇山の噴火でできた凝灰岩が軟らかく彫るのに適しているからだそうです。
なかでもここの磨崖仏は、岩壁に彫られたレリーフというよりも、もっとずっと立体的に起き上がっています。
これだけのものがいつ頃誰によって作られたのかわかっていないのが不思議です。


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山の斜面の道を歩き、最も奥まったところにあるのが、ここでもっとも有名な大日如来。
胴体の部分の地層がやや弱いために、崩れて仏頭が落下し、仏頭は長い間下の写真のように足元に安置されていました。
その仏頭だけのイメージがあまりに強く、臼杵の観光シンボルになっていました。
私も臼杵というと、今でもまずその姿が思い浮かびます。
近年の復元作業において、この仏頭を復位するかどうかが当時地元では問題になって、数年に及ぶ大論争が繰り広げられたそうです。
どんな議論があったのかは知りませんが、歴史、美術、信仰、観光、個人の思い出、いろんな立場からみて、なかなか難しい問題だったことだろうと思います。

高いところから温かいまなざしをかけてくるお顔を拝すると、やはり元の位置に戻ってよかったのだろうと感じるのでした。

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コメント

臼杵の磨崖仏といえば、やはり例の大日如来を真っ先に思い浮かべ
ますが、そのような論争があったとは知りませんでした。私として
は今のままでいいような気がします。なにしろ国宝なので、あまり
極端な修復は出来ないでしょうし、難しい問題ですね。

臼杵周辺は北九州からはかなり遠くなるし、交通の便も良くないと
思いますが、どのようなルートで行かれたのでしょうか。家族旅行
の参考にさせてください。(^^ゞ

投稿: wanwanmaru | 2006/12/18 11:57

>wanwanmaruさん
大日如来もかつては下の写真のように頭が落ちているだけでなく、胴体もかなり欠落していたのですが、平成に入ってからの大修復で、今は頭も体も本来の姿に近い形に修復されています。
ミロのビーナスに腕を付けるような難しい作業だったと思います。
国宝に指定されたのは、修復が終わった後のようですね。

臼杵へは苅田町から椎田道路、別府を経て行きましたが、まだ高速道路が未整備なので、時間がかかりますね。
竹田のほうに行くと山道になってきます。
往復だけで7時間近く運転した計算になりますので、1日の行程としてはかなりハードでした。
家族連れであれば、別府辺りで一泊して行くのがよさそうです。
ただ、どちらかというと中高年向けの観光地でしょうね。

投稿: 二つ目草 | 2006/12/18 19:21

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