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2007/07/29

ステレオ歴史探訪(16) 宮地嶽古墳と相島積石塚群(後編)

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前編の続き》

宮地嶽神社を後にし、相島に向かいます。

前回宮地嶽神社を訪れた時の記事「宗像海人の眠る宮地嶽と相島」に書きましたが、宮地嶽神社から海岸にまっすぐ伸びた参道の、その延長上に相島は浮かんでいます。
そして島の北東の海岸には海人族のものと考えられている積石古墳群があるのです。

宮地嶽からは正面に見える相島ですが、そこに渡るには11km下った新宮町の渡船場まで行かなければなりません。
渋滞する道をようやくたどり着くと、船の時間までは1時間半ありました。

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渡船場の周辺には何もなく、かといって車は1回300円の有料駐車場にもう停めてしまいました。
すぐ傍にちょっと場違いなくらいのフランス料理店。
「ビストロ・ル・ポール」、フランス語で港という名前の付いたこのレストランで昼食を取る事にしました。

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2階の港の見える席に通されました。

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1,500円のランチは、メインディッシュに肉か魚が選べますが、ここはやはり魚をチョイスし、プラス100円で今日のお奨めの「コチのポアレ」に変更してみました。
写真では大きさがちょっと分かりにくいですが、かなり立派な魚で、やはり地元で獲れたてなのか、脂がのってとても美味しかったです。
港は相島への釣り客がメインなのですが、このレストランは実は割と知られた店であるらしく、ここを目当てに遠方から食事に来た女性客がほとんどでした。

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食事が終わるとちょうどよい時間。
航行距離7.5km、所要時間17分の船旅でしたが、玄界灘は穏やかな天候にもかかわらず少し波があって、船はしぶきを上げながら疾走していきました。

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相島は、クロワッサンのような形をしていて、島の南側が湾になっています。
湾の西の方にある港に船は到着しました。
目的の積石塚群は、島の東の端の岬を越えた、北向きの小さな湾にあります。
岬へ上る道を汗だくになりながら歩いていきました。

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港から約30分歩いて、岬の北側に降りると、そこは美しい小さな湾になっていました。
ごろごろとした石の海岸が続いています。

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ステレオ写真(平行法) クリックで交差法

岬の沖には眼鏡岩が見えます。
海岸には、石が積まれて盛り上がっているところがたくさんあります。
ただ石が積まれただけのように見えますが、これが5~7世紀に造られた古墳群なのだそうです。
以前は元寇の犠牲者の墓と考えられていましたが、石棺や大陸・半島とのつながりを示す副葬品が出土し、この辺りで活躍した海人族のものではないかと考えられるようになりました。

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調査により古墳と考えられているものには、杭が立てられていますが、そこら中杭だらけでした。
まだ調査の途中ですが2百数十の積石塚があるそうです。

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海岸でバーベキューでもするのに石でかまどを作ったようにも見えてしまいますが、こんな小さな石組みにも調査の杭が立てられていました。
こんなものも古の人が何かの目的で組んだということなのでしょうね。

いつ誰がなぜここにこれらの積石塚群を作ったのか、想像をめぐらせながら海岸を散策しました。

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志賀島~海の中道を中心に活動した安曇海人族の墓ではないかという説もありますが、私には、ここが海を挟んで向かい合う宮地嶽古墳と呼応しているような気がしてしかたがありません。

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海人の足跡をたどる旅。
古代の九州については諸説あって、私の中でもまったく整理しきれていませんが、千数百年前にこの海を自在に走り回った海人たちの存在を、確かに実感した1日となりました。

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コメント

全く不思議ですし、この石積みがそんなに古い遺跡であることを
発見した人もすごいですね。
今にも消えて行きそうな歴史の足跡に目を見張る必要が有りそうです。

それにしても、新宮町の渡船場のフレンチレストランも魅力的です。
中学の頃、友達と自転車で芦屋や岩屋の海岸を駆けめぐって
コチを釣ったことを思い出しました。
釣って帰ると、親父が塩焼きにしてくれたことを思い出します。
フレンチのポアレとは大違いですが・・・
親父との大切な思い出になりました。

投稿: 赤か毛 | 2007/07/31 16:08

>赤か毛さん
積石塚群のある海岸は、岬の付け根の小さな湾になっていて、沖には眼鏡岩もあり、その風景からしても、ちょっと特別な場所という感じです。
神聖な場所として古墳を作りたくなる気持ちも分かる気がします。

他に何もない港で、時間を潰すのに恐る恐る入ったレストランでしたが、当たりでよかったです。
脂の乗った新鮮なコチは、本当は塩焼きが一番美味いのかも知れません。
ご自分で釣ったばかりのをお父さんが料理してくれたのであれば、きっと最高だと思います。

投稿: 二つ目草 | 2007/08/01 00:13

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