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2007/07/15

さだ回帰

多情仏心1


さだまさしのファンであると公言することを、「カミングアウト」と言うそうです。
まるで虐げられた、隠れキリシタンのような...。

最近の歌はほとんど知りませんが、私も30年前はよく聴いていて、友人とギターで歌ったりもしていました。
ちょうど、グレープを解散して、ソロになった初期の頃にあたります。
最近忙しくて疲れているせいか、本当に久しぶりに当時の歌を聴いて癒されたくなり、その頃のアルバムがCD化されたものをまとめ買いして聴いています。
もちろん、当時はCDではなくLPでしたし、それも私には買えませんでしたので、その友人にテープに録音してもらったものを繰り返し聴いたものでした。

改めて30年ぶりに聴いてみて驚いたのは、今聴いてもまったく古さ拙さを感じない質の高さでした。
意味不明の横文字や、ボキャ貧気味の形容詞が氾濫し、心に残らない歌が多い昨今ですが、久々に日本語の美しさを感じる歌を思い出せた気がします。

多情仏心2


とりわけ梅雨前後のこの季節を題材にした歌に、楽曲としても歌詞の面でもいい作品が多いのですが、年齢を計算してみると、それらを何と20代前半に作っているのですね。


  いくつかの水たまりを残して 梅雨が駆け抜けてしまえば
  しめった風の背中越しに きみの好きな夏が来ます

                  『ほおずき』 1975.03.25発売 22歳

  きみの浴衣の帯にホタルが一匹とまる 露草模様を信じたんだね
                  『線香花火』 1976.11.25発売 24歳

  梅雨のあとさきのトパーズ色の風は 遠ざかる君のあとをかけぬける
                  『つゆのあとさき』 1977.07.25発売 25歳


ファンの間でも評価が高いソロになって最初の3枚のアルバム、『帰去来』、『風見鶏』、『私花集』は、私にとっても思い出の作品ですが、とくに『風見鶏』が好きです。
その中には太宰府天満宮を扱った『飛梅』という曲もあり、道真の飛梅伝説を覚えたりしたものです。
ラストの晩秋を歌った『晩鐘』という曲は、「風花」、「哀れ蚊」といった美しい言葉が、繊細なメロディに乗り、今聴いても珠玉の名曲だと感じました。
晩秋とは、思いっきり季節はずれですが。

多情仏心3


ところで、今回の「さだ回帰」というタイトル。
何となく聞いたような語感で、語呂がいいなと思ったら、「七回忌」という言葉に似ているからでした。(汗)
「七回忌」はふつう「ナナカイキ」と読んでいますが、仏教では「シチカイキ」と読むのが正しいそうです。
ちょっと縁起が悪いかなと思いましたが、そういうことだそうなので、よしとしよう。

                              ...台風一過、日帰りの故郷にて

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コメント

邦楽をほとんど聴かない私にとっては、さだまさしも
ほとんど聴いたことがありません。

でも長崎在住時、お世話になっていた先輩が良く聞いて
いて、車の中で何回か聞かされました。

一度、ライブの音源を聴かされたことがあり、話が結構
面白かったことが意外でした。

今の邦楽は心にも記憶にも残らない、本当につまらない
ものになってしまいましたが、この当時のミュージシャン
の唄って今でも歌い継がれる名曲が多いですよね。今の唄
が20年後・30年後も歌い継がれるのかと考えた時、何曲が
残るのか・・。

投稿: wanwanmaru | 2007/07/15 21:37

>wanwanmaruさん
私もその後は洋楽のほうに移って行きましたが、この頃は邦楽をよく聴いていました。
私の両親が長崎出身ということもあって、長崎を題材にした曲が多かったさだまさしは、受け入れやすかったという理由もあります。
大学で落語研究会に在籍していたこともあるというだけあって、話術は巧みで、最近でも、NHK総合テレビで時々やっているDJ風のトーク番組でそれを見ることができます。
次回は8月8日に「広島から生放送! 真夏の夜もさだまさし」という番組が予定されています。

30年前にどういう歌が流行っていたのかを調べたら、『津軽海峡冬景色』、『勝手にしやがれ』、『あずさ2号』、海外でも『Hotel California』と、豊作だったようです。
やはり、中身があって、心に響いてこないとダメで、最近の曲でも『千の風に乗って』などは30年後も残るでしょうか。
私が知らないだけで、最近の若い人の歌にもいいものがあるんだよということなら杞憂ですが。

投稿: 二つ目草 | 2007/07/15 22:44

「さだまさし」さんの曲も好きですが・・・、
台風一過の故郷の、1枚目と2枚目にシビレました~。
1枚目、添景人物の2人、良いですね~。
小さな雲が効いてますね。
2枚目、お地蔵さんが優しく見守る小さな漁港の風景、堪りませんね~。

投稿: 純兵衛 | 2007/07/16 10:02

>純兵衛さん
まだ台風の余波で強い海風が吹いていて、岬の海岸に並ぶお地蔵さんは、よだれかけが風で顔に張り付いていました。
そんな中でも、慈悲深い佇まい。
1枚目は、岬の道を歩く父親とそれを追いかける息子。
細長い雲は、父と子の絆を表しているような、お地蔵さんの慈悲が背後にも届いていることを表しているような。
2枚目は、自然の湾に繋がれた小さな漁船を見守るお地蔵さん目線で、台風一過、梅雨明けしたかなと思えた夏の空を撮ってみました。
でも、梅雨明けのほうはまだおあずけのようですね。

投稿: 二つ目草 | 2007/07/16 16:09

さだまさしは、私も好きです。ちょうど高校生のときギターを始めて
流行っていたのが「精霊流し」。
ふるさとを飛び出して、京都で一人暮らしを始めたころ、
流れていたのが「案山子」。

時が流れて・・・3年位前から、自分の息子が聞き出して
あらためて、私も二つ目さんのいわゆる「さだ回帰」をしました。
同じように仕事に疲れて、くたくたになっていた頃
久しぶりに聞いて、かなり癒されました。

その頃、同じ長崎出身の前川清が、ある番組で精霊流しを謳いはじめて
途中で涙で声が出なくなり、顔をくしゃくしゃにしていたのが印象的でした。

投稿: 赤か毛 | 2007/07/16 18:31

>赤か毛さん
『精霊流し』もいい曲ですよね。
前川清は、きっと家族か知人の船を流したことがあるのでしょう。
私も数年長崎に住んでいながら、一度だけ精霊流しを観に行ったことがありますが、実際の長崎の精霊流しは、歌の印象とは違って、大量の爆竹を鳴らして賑やかな行事でした。
それでも根底には、歌と同じように、故人を送る哀しみが流れているのが感じられました。

息子さんがさだまさしを聴いているのですね!
ちょうど1枚目の写真に重なります。
父の後を追う息子。
すると、お地蔵さんがさだまさしですね。

うちの息子は、ちょうど私がさだまさしを歌いまくっていた年齢になりましたが、まだ音楽自体に興味がないようです。

投稿: 二つ目草 | 2007/07/16 19:58

長男の大陸君が生まれた翌日の小倉厚生年金会館のライブに行きました。
さださんは、うれしさのあまり、22時近くまでやってたなあ。

CB50Sという原付スポーツバイクで、長崎まで行って、
さださんの実家を訪ねてみたり、県立ユースで地図もらって、
さださん縁(ゆかり)の地を巡ってみたり・・。

ほんとどっぷりはまってました。

中学で唐詩撰の参考書(高校生向け)を、なぜか数学の先生にプレゼントされて、読破して以来、漢文は勉強しなくてもいつも満点だったのは、
LP「帰去来」のおかげ。

KBCラジオの「続ひきだしのすみっこ」で、ハガキ読まれた。

回帰 といえば、「夢回帰線」というアルバムもありましたね。

とりとめなくてすみません。

投稿: でぱいゆ | 2007/07/16 23:16

>でぱいゆさん
結構ディープなファンだったのですねぇ。
私はかつて長崎に住んでいながら、実家がどこなのか知りません。

ラジオでハガキが読まれたのですか、すごいですね。
どんな話題だったのでしょう。
8月8日の「広島から生放送! 真夏の夜もさだまさし」もハガキを受け付けてるはずですよ!
翌9日には広島球場でコンサートがあるんですよね。

それにしても私も異端としてカミングアウトしたつもりでしたが、ご常連にファンが多くて、意外にさだファンというのは多数派だったりして。

「夢供養」を最後にアルバムは聴いていないので、新しいものも聴いてみようかな。

投稿: 二つ目草 | 2007/07/17 01:23

なるほど!お地蔵さんがさださんでしたか!?
改めて拝見すると、とてもうれしくなりました。

投稿: 赤か毛 | 2007/07/17 13:01

>赤か毛さん
こちらこそ、赤か毛さん親子を借りて、写真に別のストーリーが生まれました。

投稿: 二つ目草 | 2007/07/17 20:28

ラジオで読んでくれたのは、白鳥座の佐田玲子さん(さださんの妹さんね)。
たしか、「ひきだしのすみっこ」の初期の頃のテープ保存してあって、その内容をちょっと書いたっけなあ。

中学の頃、ギターを弾けなかった(Fがおさえられん!)ので、
おっさんになった今、ウクレレでリベンジ。
コード鳴らしてるだけだけど、ギター本みながら、「指定券」とか弾いてる。
もっと楽器がんばっときゃよかったなあ。

投稿: でぱいゆ | 2007/07/17 21:42

30年前のヒット曲の顔ぶれって、名曲揃いですね~。

沢田研二や狩人って姿は見かけないけど、曲は今でも
歌い継がれているんですね。

投稿: wanwanmaru | 2007/07/17 21:57

>でぱいゆさん
佐田玲子さんですか。
最近のNHKのさだまさしの生放送のやつにも出てますね。

私もFが苦手で、ギターは相方にまかせて、弾く真似をしていました。
『指定券』、名曲ですね。好きでしたー。
オープニングに「続いての列車 16時30分発 さくら号 長崎・佐世保行き まもなく発車をいたします。」という構内放送が入るんですよね。
久しぶりに聴いて懐かしく思い出しました。
この歌で「やはり野におけ れんげ草」という言葉を覚えました。

投稿: 二つ目草 | 2007/07/17 22:07

>wanwanmaruさん
この頃のヒット曲は、世代を超えてみんなに知られてるし、誰もが歌えますよね。
最近の曲はなかなかそういうものがないですよね。

狩人は、今年いっぱいで解散するというニュースで久しぶりに名前を聞きました。

投稿: 二つ目草 | 2007/07/17 22:15

今日、広島市民球場で、さだまさしの無料コンサートがありました。
野暮用で、すぐ近くまでいったけど、参加できなかったなあ。
平和を訴えるには、「ヒロシマから」の方が、インパクト大きいのかな。

投稿: でぱいゆ | 2007/08/10 00:04

>でぱいゆさん
8月8日にNHKで放送された「広島から生放送! 真夏の夜もさだまさし」を見ましたが、そのコンサートの話も出ていましたよ。
小児科のドクターからのハガキで、全国の小児科医の有志がお金を出し合って、広島市民球場のレフトスタンドに「ワクチン打って 麻しん・風しん完封!」という看板を立てたけど、野球中継などではほんの一瞬しか映らないので、コンサートのときにぜひ「あっ、あれは何だ!」と指差して、観客の注目を集めてくださいという依頼がありました。
さださん忘れずにやってくれたかな。
BS2で8月24日(金)22:30~24:00にコンサートの模様が放送されるので、確認してみようと思います。

投稿: 二つ目草 | 2007/08/10 22:00

今日、広島ではNHK総合でコンサートが放送されました。
19:30~21:00だったから、8/24のBS2も同じかな。
ギター弾けないけど、ウクレレで「広島の空」を弾きながら、
いっしょに歌ってしまった。
ちょうど「はだしのゲン」前編を家族で見た。
やっぱり平和って、普通に生きるって、簡単そうだけど、
とても難しいことかもしれない。

ちょっとずつ、がんばる。

ああ、昨日いけばよかったなあ。
来年あるかどうかわからないけど、ぜひいきたいな。

投稿: でぱいゆ | 2007/08/10 23:50

>でぱいゆさん
広島と長崎では今日放送があったんですよね。

私の両親は長崎の人間なので、子どもの頃から原爆の話を聞かされてきましたが、私はといえば、それを自分の子どもに伝えることもしないで、何の苦労もなく平和な生活が送れてしまう今の日本の幸運に甘えてしまってます。
せめて、この時季だけでも、ちょっと考えてみようかと思います。

投稿: 二つ目草 | 2007/08/11 00:17

はじめまして。私もまっさんのファンです。
特に「桐の花」「坂のある町」「マグリッドの石」などが好きです。

このページに訪れたきっかけは、Pentax DA Limitedシリーズの作例がみたくて。
K20D、K100D Superを所有してますが、K100DS用の薄型レンズを使って、僕の住んでる町を切り取りたくて。
するとびっくり!まっさんのファンの方だったとわ。すごくうれしい気持ちになってしまいました(笑)。

撮影された写真はどれもやさしい作品たちですね?こういう作品をつくれるべく、私も頑張らねばなりません。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: こでっち | 2008/05/25 18:30

>こでっちさん
はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
さだまさしは、中学生の頃聴いていたのですが、アルバム『夢供養』を最後に、ずっと離れていました。
30年ぶりのさだ回帰の後、『美しき日本の面影』、『Mist』の最近の2枚は聴きましたが、
その間の曲は残念ながら、ほとんど聴いたことがありません。
こでっちさんの好きな曲も、そのブランクの期間のものなので、私の知らないものばかりですが、
いずれも評価が高いことは知っていましたので、これを機会に聴いてみたいと思います。

ペンタックスのレンズは、町の風景を切り取るのには使いやすくてよいと思います。
ぜひ作品を紹介してください。

投稿: 二つ目草 | 2008/05/25 21:54

こんにちは。


ずいぶん前のページにお邪魔してしまいました。(*^^*)


ずっと、記事を追わせていただきましたが、画像の美しさや流れるようにすっと心に染み入る興味深い文章にも引き込まれました…。


そして、このページのお地蔵さまの写真にも癒されています♪


さださんの愉しく素晴らしいお話にも、私も今度歌を聴いてみようかな…、と思いました♪

また、少し後の武雄温泉の記事では、平行法の立体視…を存分に愉しませてもらいました。(*^▽^*)

…もちろん、秋の行楽は武雄と温泉です♪(笑)


比較的山地の多い我が町の近郊にも、山々のパノラマが一望できる、マイナーですが癒される「国見の湯せちばる」もあります。

少し足を延ばして、平戸や生月島も、異国情緒溢れる大好きなスポットです。

…すみません。(>▽<)(笑)ついつい筆が(打ち込みが)進み過ぎてしまいました。

それくらい、私もこちらのブログを愉しませていただいているのです。


これからも、まだまだ二つ目草さんのブログを愉しませていただきたいと思います♪

そして、行動範囲を広げて、愉しい日々を過ごしたいです。


とりあえず、週末愉しんで来まーす♪


色々とありがとうございました。


(*^-^*)


投稿: あお | 2009/08/26 00:06

>あおさん
古いバックナンバーまで読んでいただき、ありがとうございます。
この写真は、私の故郷の海岸で撮ったものです。
先日、ブログ開設5周年になりましたが、
最近はこういう写真を撮っていないなぁと少し反省。

平戸の方へも5年近く前に行きましたが、独特の情緒がありました。
http://futatsumekusa.air-nifty.com/blog/2005/01/post_4.html
「国見の湯せちばる」は、ぜひ一度訪ねてみたいと思います。

さだまさしは、最近はNHKの生放送番組を楽しんだり、新しいアルバムも聴いてみたりしています。
先日は、コンサートのチケットまで手に入れていたのですが、急な仕事が入り、代わりにカミさんに行かせました。
やはり、なんといっても、初期の『帰去来』、『風見鶏』、『私花集』の3枚が好きです。

投稿: 二つ目草 | 2009/08/26 01:31

この記事へのコメントは終了しました。

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