北九州市立美術館『ミレー、モネ、黒田清輝 田園賛歌』展
磯崎新の設計、ニューっと2つの直方体が突出したユニークな形の北九州市立美術館。
窓のある先端のあの部分には行けるのかどうかは、今日も謎のまま。
映画『DEATH NOTE』では、美術館内部のシーンにこの美術館が利用されていました。
今日は『ミレー、モネ、黒田清輝 田園賛歌』展の最終日。
駐車場に入りきれない車の渋滞が起こるほどの、大盛況でした。
ミレーの『落ち穂拾い、夏』は有名な『落ち穂拾い』と同時期、同様の構図で描かれたもので、
小さいながらも存在感がある作品でした。
落ち穂を拾って生活する極貧の女性のはずですが、品のある描かれ方をしています。
モネの『積みわら』ではあえて人物を描かずに農村での営みを表していました。
黒田清輝を始め、日本の近代画家たちの描く日本の田園風景は、やはり郷愁を覚えます。
岸田劉生の絵では畦道に小さく麗子さんが描かれているのが微笑ましく感じました。
その他、木村伊兵衛の写真や、小麦を節約せよというポスター、外国人向けの絵葉書など、
今回の企画は出品数、質、構成ともに充実していました。
美術館を出ると、北九州を一望できる素晴らしい眺め。
昨年は専属学芸員が欠員になったことがニュースになってしまい、
企画展の開催など、ちょっと心配していましたが、
6月からのミレイ展(こちらはミレーではなくミレイ)ではあの『オフィーリア』も観られるというので、
今年の北九州市立美術館は、なかなか楽しみです。
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コメント
開館当初、この先っぽのところに行ったことがあります。
今もいけるのかなあ。
DEATH NOTEのロケ、ここでやったんですね。
まったく気が付きませんでした。
木村伊兵衛さんの写真集が欲しいけど、ちょと高くて買えませんので、「木村伊兵衛の昭和」(ISBN:4-480-05139-2)という本を買って写真を眺めてます。
投稿: でぱいゆ | 2008/02/19 20:57
市立図書館と並んで、思いで深い建物です。
もう30年になりますね。
当時は奇抜な中に理知のある空間と思っていました。
今は、理知を追及してゆくと奇抜になったと考えます。
いずれにしても、北九州の財産ですね。
投稿: 赤か毛 | 2008/02/20 19:22
DEATH NOTEのロケが北九州であったという話は聞いて
いましたが、この美術館も使われたんですね。これも
KFCの活動の賜物かな。
この建物は初め見たときはびっくりしましたが、慣れる
と良い建物だと思えるので不思議です。
ここにはしばらく行ってないので、久し振りに行って
みたくなりました。
投稿: wanwanmaru | 2008/02/20 23:27
>でぱいゆさん
いつも美術館を出てから先っぽに行き忘れたことを思い出すんです。
今回は館内の喫茶店にはたどり着くことができました。
木村伊兵衛の農村の写真は初めて見ましたが、
今では見られないような頬被りをした農婦の姿をとらえていました。
>赤か毛さん
丘の起伏を利用した変わった形の外観を反映して、内部もちょっと複雑で、
あまり効率的な動線とは言えませんが、ちょっとした探検のようなワクワク感があります。
ここからの眺めとともに、大切にしていきたい場所ですね。
>wanwanmaruさん
美術館のシーンで、外観は別の美術館が使われたそうですが、
内部はここだったのだそうです。
2枚目の写真の場所などは、いつ行っても不思議な静寂に包まれる感じです。
関門橋から響の風車群、洞海湾の奥の方まで一望できる眺めもいいですね。
投稿: 二つ目草 | 2008/02/21 00:13
木村伊兵衛さんの昭和の下町の風情の写真がとても好きです。
投稿: でぱいゆ | 2008/02/21 00:22
>でぱいゆさん
木村伊兵衛といえば、紙芝居に熱中する真剣なまなざしの子どもたちが印象に残っています。
あとは、永井荷風とか。
投稿: 二つ目草 | 2008/02/21 22:06
懐かしい建物です…。
学生の時に、出したはずのレポートが未提出扱いになり
再度レポートを書かされて提出しに、ここへ行った記憶が
あります(涙)。
投稿: うなむ | 2008/02/23 15:40
>うなむさん
そ、それは哀しい思い出ですね。
丘の上にあり、さらにエントランスが高いところにあるので、さぞかし重い足取りだったことでしょう。
それにしても、美術館でのレポートというのは難しそうですね。
投稿: 二つ目草 | 2008/02/23 21:53