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2009/05/02

必見!!『聖地チベット』展

Tibet
昭和の日、九州国立博物館で平成21年4月11日(土)-6月14日(日)開催中の特別展
『聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝』を観に行ってきました。
九州国立博物館第9回ぶろぐるぽに参加して当選したペア招待券を使って、今回は夫婦で見学です。

Darcog

館内は、タルチョと呼ばれる五色旗で飾られていました。
青・白・赤・緑・黄が、それぞれ天・風・火・水・地を表し、経文が木版印刷されていて、
風にはためく度、読経したのと同じ効果があると信じられています。


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今回は、直接九博に来たので、太宰府天満宮を経由しておらず、参拝できなかったのですが、
その代わりに、こんなところでおみくじが引けました。
入場してすぐに、「守りがみ」をひきます。
私も、かみさんも、守り神は「勝利の女神 ペルデンガモ」でした。


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そして、この方が、ペルデンガモ。
女神、、、なのか?
らばに乗っていますが、鞍代わりに敷いているのは、なんと人間の生皮。
この女神は、教えに従わない人を食べてしまうのです。
よく見ると、生皮にはまだ生首がぶら下がり、
らばの前と後ろで、べろーんと伸びた生皮の手と足が結ばれています。
なんとも頼もしい?私たちの守り神が手にしているのは、どくろ杯。


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これが、カパールと呼ばれる本物のどくろ杯です。
高僧の遺志に従い、その頭蓋骨で作られていて、
普通の水を聖水に変える力を持っています。
金と青いトルコ石がチベットの美術の特徴です。


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今回の展示は、多くの仏像を前後左右360度から見ることができます。
この女神も、どくろ杯を持ち、どくろの首飾りを掛け、顔もちょっと怖いですが、
後ろ姿は、妖艶でスタイル抜群です。


Tibet056

持ってますね。どくろ杯。
南インドで触れたヒンズーの神ともルーツを同じにすることが感じられる姿です。

それにしても、現代のフィギュアなどにも通じるかっこいい造形。
ウルトラセブンでモロボシ・ダンがピンチになった時、カプセルを投げると出てくる
味方の怪獣「ミクラス」に似ているような。
Mikurasu


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そういえば、初代ウルトラマンも、弥勒菩薩をデザインのヒントにしているらしいですが、
これなんかを見ると、それも納得できてしまいます。


Tibet072

日本には空海などが中期密教を伝えましたが、
チベットには後期密教が伝わりました。
後期密教に特徴的な表現のひとつ、父母仏。
このカーラチャクラ父母仏立像は、4つの顔と24本の腕を持つ仏が、妃と抱き合っています。
男性仏と女性仏が一体化して得られる悟りの境地を表現しているそうですが、
通常は、下半身は参拝者の目に触れないように、布で覆われているのだとか。
何ヶ月もかけ、五体投地礼を繰り返しながら巡礼に来る信者さんさえ見ることができない像の全貌を、
360度から鑑賞させていただくのは、もったいないような貴重な体験です。

Tibet080

蓮の花びらの部分が開閉し、閉じるとつぼみのような形になるという大変美しい作品。
中央は、妃を抱いた仏が座っており、周囲の花びらには、それぞれ仏像が配置された、
曼荼羅となっています。

今回の展示では、「生(性)」や「死」を示す、
なまなましい表現が多く含まれているにも関わらず、
純粋に、心が洗われるような気持ちになりました。
チベットという聖地で育った密教文化の賜だからでしょうか。

それでも、それぞれの展示のインパクトがとても強く、
見て回るだけでくたくたに疲れました。
もちろん満足感たっぷりの疲労です。

「聖地チベット」が、汚れることなく、永く保たれることを強く願いながら...。


Chauchau

博物館に隣接するレストラン・グリーンハウスでは、
特別展会期中の限定メニュー「チャウチャウ ピリ辛ネパール風焼きそば」をいただきました。
チベットやネパールの代表的な麺料理だそうです。
スパイスの効いたカレー風味を味わいつつ、
2月の南インド体験と、今回の特別展とを繋げて、あれこれ思い浮かべました。


Kintsuba

お土産には、ミュージアムショップで、
日朝貿易で使用された印をイメージしたという「九州国立博物館 蒸しきんつば」を買って帰りました。
至宝の数々に触れ、フル回転した脳に糖分を補給です。

九州国立博物館第10回ぶろぐるぽに参加しています。
展覧会場内の写真は、九州国立博物館よりご提供いただいたものです。

この後、5月23日に2度目の観覧をしたときの記事はこちら。

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コメント

なんか・・チベットって怖い・・感じがします。鳥葬なんかも
あるし・・。日本の仏教と通ずるものもあるのでしょが、少し
違う文化なような気もしますね。日本の方が平和な感じ・・。

それにしてもミクラスのイラストはウケました。ご自分で
描かれたんでしょうか。(^^)

投稿: wanwanmaru | 2009/05/03 10:13

二つ目草さん、お久しぶりです。
いつもの事ですが、二つ目さんの九博レポートを拝見すると
近くに居ないことが、とても残念に思います。
反面、居ながらにしてすばらしい解説付きで、展覧会を回らせて頂いた
という、お得な感覚に包まれます。ありがとうございましたm(_._)m
チベットの文化や美術、そしてそのおおもととなっている宗教と生活が
乱されずに続くことを祈ります。

投稿: 赤か毛 | 2009/05/03 18:15

>wanwanmaruさん
富士山の頂上と同じ高度に都市があるチベットは、
寒々とした土地なのかなという印象を持っていましたが、
今回の展示では、熱いものが感じられました。
たしかに、鳥葬の習慣があって、
密教の修行でもっとも瞑想に適している場所は、
その死体置き場だと考えられていたなんていうおどろおどろしい面もありますが。

「ミクラス」っていう名前も忘れていましたが、
カプセル怪獣に似たのがいたなぁと思い出し、
ネットで検索して探し出した写真を絵にしてみました。
ファイナルファンタジーの召喚獣にも、似たのがいたような気もするのですが、
こちらは見つけられませんでした。
それにしても、500年以上前にこの造形というのは、信じられません。

>赤か毛さん
今回の特別展の至宝の数々は、本邦初公開ということで、九博GJ!です。
インドでは廃れてしまった密教のうち、日本には中期のもの、
チベットには後期のものが伝わり、それぞれ違った姿で残っているというのは、
とても興味深いものでした。
密教といいながら、修行者ではない我々にも直接的に訴えかけてくるような迫力に、
圧倒されました。

投稿: 二つ目草 | 2009/05/03 23:20

ミクラス なつかしー。
ミクラスの消しゴムで相撲させると、浴びせ倒ししかできんかったよなあ。

投稿: でぱいゆ | 2009/05/17 20:29

>でぱいゆさん
カプセル怪獣は、エレキングの回で登場したんでしたよね。
湖の風景が印象に残っています。

投稿: 二つ目草 | 2009/05/18 23:41

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